- 3ゲームマッチで2ゲーム勝った方の勝利
- 1ゲーム21点
- シャトルが相手コートに落ちるor相手がフォルト(反則)すると得点
- 20-20になった場合、2点差がつくまで延長(30点先取した方の勝利)
得点はラリーポイント方式
サーブ権はラリーに勝ったほうがサービス権を獲得します。しかし、サーブ権に関わらず、ラリーに勝ったほうにポイントが入ります。
このようなラリーポイント方式は、攻撃をして相手コートにシャトルが決まったらポイントが入るため、とてもシンプルで分かりやすいと言えます。
バドミントンの試合を見ていても、数の数え方がテニスと違い、1から数えていくため、初心者でも簡単に理解できます。テニスの場合は「0・15・30・40」という数え方なので少し複雑です。
またラリーで21点先取したら、次のゲームは勝ったほうの選手からサーブとなります。
コートチェンジがある
第1ゲームの終了後、第2ゲームの終了後、さらに第3ゲームでどちらかが最初に11点先取したタイミングでコートチェンジが行われます。
コートチェンジすることによって、同じ条件になるようにしています。屋外でのコートチェンジは風向きなどが関係してきますが、屋内では照明などが大きく左右されます。
インターバルが設定されている
バドミントンのインターバル
- 各ゲームでどちらかが11点になったとき:1分(60秒)
- ゲームとゲームの間:2分(120秒)
各ゲームでどちらかが11点になったときは、60秒を越えないインターバルを設けています。またゲームの間は120秒を越えないインターバルが設けられます。
インターバルは水分補給や気持ちの切り替え、コーチからのアドバイスの時間としてとても重要なものです。
またバドミントンは意外と激しい動きをするため、ゲームの合間にインターバルを取らないと、とても過酷なスポーツになります。ラリーが長く続くだけでも体力がどんどん消費してしまい、インターバルがないと倒れてしまう恐れがあるからです。
インターバルは1分と2分という短い時間となっていますが、この決められた時間よりも長くインターバルを取ってしまうと、失格になるので注意が必要です。
サーブは必ずコーナーから打ち込む
サーブをするときはコーナーから打つのが決まりです。さらに得点数により左右どちらから打つのかが決まってきます。ここだけ少し複雑になりますが、基本を押さえていれば簡単です。
バドミントンのサーブ
- 最初のサーブは右側(偶数とされるため)
- 得点数が「1・3・5・7・9…」など奇数の場合は左側
- 得点数が「2・4・6・8・10…」など偶数の場合は右側
例えば、自分が「5点」取っていたときにサーブ権を得ると「6点」となります。そうすると6は偶数なので、右側からサーブを打つということになるのです。
サーブ権を得る前の得点よりも、ポイントを取った点数がカウントをされます。
しかし、最初のサーブは偶数とされるため右側コーナーからサーブを打つ決まりとなっています。
サーバーとレシーバー以外は動いてもOK
サーバーやレシーバーにとって妨害でなければ、コート内を自由に動き回れます。
むしろ相手の打ち返しショットが打ち込まれても良いように、フットワークを軽くしておいたほうと良いです。サーバーの視界を遮らず、コート内であればそれぞれのパートナーはどこにいてもOKです。
しかし明らかにレシーバーとサーバーの動きを妨害するような行為であれば、注意されます。ただし審判によって判断が異なることがあるので、その試合の審判の指示に従います。
一方、レシーバーとサーバーは、サービスを始めてから打つまで、足を動かしてはいけないというルールがあります。これを「コートフォルト」といいます。
競技中は観客を不快にさせないウェアを着用する
色付きの着衣の場合は、日本バドミントン協会の審査を合格したもののみ着用可能です。
特に、大きな大会などの場合は、次のような決まりがあるので確認をしておきましょう。
- 選手は相手の選手や観客に不快感を与えないようなウェアやシューズを着用
- ウェアの色の組みあわせは、どのようなものでも可能だが、色付きウェアの場合は競技の品位を保つため、審査合格品のものを着用
基本的には白いウェアであれば良いのですが、色付きウェアの場合は確認が必要です。心配な人は、大会本部などに問い合わせましょう。
ウェアの購入を考えている人は、バドミントンのウェアのカタログに検定合格品など記載されているので、それを購入・着用すれば、どの試合に行っても安心です。
なお地区大会や市民大会などの試合では、大きな大会ほどの取り決めは行っていません。
シャトルは天然と合成のどちらでもOK
シャトル(羽根)は、テニスのボールに当たるもので、重要なものです。
シャトルの基準は、次のとおりです。
シャトルの基準
- 素材は、天然と合成のどちらでもOK
- コルクの台に天然水鳥羽をつけたシャトルと同様の飛行性がなくてはならない
- 羽の長さは、62〜70mm
- 羽の先端は、直径58〜68mmの円形
- 台は25〜28mm
- 重量は4.74〜5.50g
- 合成素材の場合は天然素材と違うため、上記の10%の誤差であればOK
公式な大会で使われるシャトルはこれよりもさらに細かく定められた日本バドミントン協会の競技規則に合格したもののみ使用可能です。
シャトルの価格は12個入りで1,000円程度から、試合用は4,000円を超えます。初心者であれば、シャトルがラケット面にうまく当たらず、すぐダメにしてしまうことが多いので、リーズナブルなものを使用しても良いでしょう。
試合は屋内で実施されるのが原則
バドミントンを外で遊んだ経験をしたことがある人は分かると思いますが、追い風と向かい風ではシャトルの飛び方がかなり変わってしまいます。
追い風の場合はどんなに軽く打ってもコート外になってしまい、逆に向かい風の場合は、かなり強く打ってもネットになってしまうのです。
このようにシャトルは風の影響を受けやすいので、屋外のコートでは公平な試合になりません。
そのため公式試合は屋内で行われるのが原則です。屋外で行う公式試合はまずありません。
ラリー時の有効範囲は全面
ダブルスのラリー時は、外側のライン全面までがインラインとなります。分かりやすく言えば、縦13.4m×幅6.1m のバドミントンのコート内が全てが有効範囲内です。
シングルスが全面だと1対1で試合をする場合、体力的に厳しくなります。そのためシングルスとダブルスでの有効範囲が違ってきます。
サーブ時の有効範囲は左右が広い
サイドラインは外側、エンドラインは内側のラインまでがインラインとなります。サーバーから見て対角線側にサーブを打つのはシングルスと同じです。
また、ショートサービスラインよりもネット側近くに落ちた場合は相手側のポイントになります。シングルスと違う点は、サーブのエリアの有効範囲が横に広く、奥行きが狭くなるところです。
そのためサーブの仕方もシングルスとダブルスでは、練習法が異なります。それぞれの有効範囲が違うため、サーブの技術力が問われます。
サーブ権は交互
ダブルスの場合はペアで行うため、連続得点の場合は同じ選手、サーブ権が相手に移ってからの得点の場合は、チームの相方になります。
連続してサーブ権を獲得すれば、自分のコート内で偶数の場合は右、奇数は左でチェンジしながらサーブを続けていきます。
最初はどちら側で打てば良いのか混乱してしまうかもしれませんが、何度か続けていくと慣れてきます。まずは、ポイントが奇数なのか、偶数なのかで判断すると良いでしょう。
サーブのフォルト
サーブに関するフォルト(反則)は、次のようなものがあります。
サーブに関するフォルト
- サーブを打つときに、わざと時間稼ぎをして、相手のペースを乱す
- 打つのを失敗したり、サーブを途中で諦めたりする
- サーブを打つときに、コートから出てしまう
- サーブを打つときに、足が床から離れてしまう
知らなければ、誰でもついやってしまいそうなことなので、気をつけましょう。
プレイ中に起こるフォルト
ラリーをしているときにも、審判からフォルトの声がかかるときがあります。そんなときは、次のようなことが考えられます。
プレイ中に起こり得るフォルト
- ラケットを構えずに、サーブを打つ相手の選手を待たせてしまう
- シャトルを相手の体にわざと当てる
- プレイ中にネットに触ってしまった
- 同じ人が2度打ちをしてしまう
- ラケットがネットを越えて、相手側のコートでシャトルを打ってしまった
- シャトルが天井や壁に当たってしまった
- ラケット上でシャトルを保持してから打ち返した
フォルト以外で試合を止めるレット
レットとは審判による試合中断のことで、お互いに点は入らず、もう一度プレーの再開となります。理由は次のようなことがあげられます。
レットの例
- 相手の準備が整う前にサーブを打ち込んだ
- ラリー中にシャトルがネットに引っかかる
- サーバーとレシーバーが同時にフォルトをした
- プレー中にシャトルが壊れて、コルクの部分が完全に分離してしまった
補足をすると、ラリー中にネットが引っかかるということについては、自分側のネットに引っかかっていれば、レットにはならずに相手チームにポイントが入ります。
またプレー中にシャトルが壊れるレベルですが、シャトルの羽根が1〜2本取れた程度ではレットにはならないので、勝手に中断しないように注意してください。
コーチがアドバイスのため、ゲームを止めようとしたと同時に、サーブを打ってしまったときもレットとなります。その場合は、アドバイスが終わった後にプレー再開となります。
審判への暴言や相手への妨害
審判への暴言や相手への妨害のような、バドミントンのプレーをスムーズに行えない行為をした場合は、全てフォルトになります。
初心者の場合はそのようなことはあまり起きませんが、慣れてくるとイライラしてしまい、短気を起こしてしまう人も中にはいます。
あまり酷い場合は失格となって退場となることもあるため、カッとなった感情のまま相手にぶつけないようにしなくてはなりません。
ただし、審判のジャッジが全て正しいということはありません。審判も人間なので、ときには間違えたりもします。
そんなときは、しっかりと冷静な判断をして、納得がいかないときは、誠意を持って意見を述べても良いでしょう。スポーツは正々堂々と戦っていくものです。
故意に相手への嫌がらせやルール違反を行ったりするのであれば、スポーツをする資格はないと言えます。
最近改正されたルール
バドミントンのルールは、毎年細かく変わっています。ここでは、重要な改正ルールを解説します。
日本バドミントン協会は、2018年8月に「競技規則」を改正し、2019年4月から適用されるようになりました。新たに改正されたルールは、どのようなものがあるのかを詳しく見ていきましょう。
サーブの高さが115cmで固定になる
改正前はシャトル全体がウエストより上となっていましたが、改正後は115cm以下の高さでサーブを打つことになりました。
改正前は背の高い人や低い人でも自分のウエストよりも高ければ良い、とされてきましたが、改正後は個人の背丈によってサーブが有利になったり、不利になる可能性があります。そのため改正後は背の高い選手の場合、新たにサーブを打つフォームを変えなくてはならないケースもあるでしょう。
また審判はどのように判断をするのかというと、今のところはポストや選手のウェアにマークをつけるという判定になるのが濃厚です。
試合中のラケットの試打禁止
試合時間の短縮が理由で、ラケット交換などによる試打が禁止になりました。
以前は、ラケットのストリングスが切れてしまったとき、新しいラケットに交換した後、相手選手と何度か試打ができるルールがありましたが、このために試合時間が大幅に長引いてしまうことを踏まえ、試合時間の短縮のために改正されたと言われています。
ラケットの試打が禁止になると、予備のラケットとはいえガットの張り具合を再確認できなくなります。試合をしながら微調整していくしかないので、選手にとって不安要素が増えてしまう可能性があります。
スコアリングシステムの変更はなし
スコアリングシステムは、3ゲームのうち2ゲーム先取したほうが勝利というシステムです。
11点5ゲーム制の新スコアリングシステムは、5ゲームマッチとなり、11ポイントを先取したほうがゲームを勝ち取るというゲームとなります。
しかし2017年5月にBWF(世界バドミントン連盟)では、否決されました。同年3月にサーブの高さについての新ルールの変更も提案されていますが、サーブを打つ高さの変更だけが可決されています。
スコアリングの変更について
2021年5月、BWF(世界バドミントン連盟)によると、現行の21点3ゲーム制のスコアリアングシステムは続投され、11点5ゲーム制の新システムの採用は見送りとなりました。
バドミントンは世界的な普及により、今後一層の盛り上がりが予想されます。現在、試合時間の短縮化の動きもあり、BWFも11点5ゲーム制の導入に前向きな姿勢を取っています。
しかし、システム導入を決める投票では過半数の3分の2にほんのわずかに届かず、否決されました。
ここまでバドミントンの基本ルールについて説明してきました。意外とシンプルなルールだと思った方も多いのではないでしょうか。
これからは新しいルールで練習や試合を行うため、初心者に有利になる可能性があります。これからバドミントンを始めようとしている人は、基本ルールや改正されたルールを覚えて、充実したバドミントンライフを送りましょう。